秋葉原に住むIT技術者の単なる雑記帳

今後SNSはどこへ行く?・2023

昨今、大手SNS「Twitter」が相次ぐ規制やルール変更により、日々使い勝手が悪くなっています。

 日本でも分散型SNSが流行りだしてから6年経過していますが、これまでかたくなにTwitterを離れようとしなかったユーザの多数も、ついにTwitterを見限る動きを見せ始めました。

 また、今年に入ってから、ポストTwitterを狙う新たなSNSが相次いで登場しています。

 Twitterの元CEOが関与している「Bluesky」や、Twitterを解雇された人が開設に関わった「T2」については、私も一応ユーザ登録しています。

 また、個人的には全く歓迎しておりませんが、本日付で、Meta社による新SNS「Threads」がサービスインするようです。

 このように、SNS絡みで状況が目まぐるしく変化していますが、ここで私が一昨年にこのブログに書いた記事を振り返ってみたいと思います。

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今後SNSはどこへ行く?・2021

 一昨年、私はこんな記事をこのブログに投下しました。

 この中では、個人的にSNSについて考える上で参考となった、とあるインターネット上の記事に言及し、自分の経験と照らし合わせて考察しております。

 それにしてもこのタイトル。自分が最初に拝見したときには、さすがにTwitterがあと数年で終わるなんてことはないだろうと思っていました。しかし当時は予想もしなかった展開(イーロン・マスク氏による買収とその後の体制変更による悪影響)により、まもなく現実のものとなりそうです。

 とりあえず、一昨年に自分が投下したブログ記事とこの関連記事の内容を振り返って、現状について述べて参ります。

自分のネットとの関わり – 今後は小さな閉じたコミュニティの時代なのか?

 一昨年、自分が過去にインターネットにどう関わってきたのかを超大雑把に振り返ったときには、このようになりました。

 当時、自分は次のように述べておりました。

 …こうして見ると、若干ムラもあるものの、自分はだいたい4年周期で、インターネットでは開かれた使い方と閉じた使い方を入れ替えていることになります。

 ところが、2017年から現在に至るまでの6年間、自分のインターネットの使い方はあまり変わっていません。コロナ禍の影響もあったのでしょうが、ほぼずっと「閉じた使い方」の状態が続いています。そしてその状態は、先述の「Bluesky」や「T2」を使い始めてからも、変わる気配がありません。

 ある意味、2017年4月に「Mastodon」に出会ったことは、私にとってインターネットとの付き合い方そのものを変える革新的な出来事だったと言えるでしょう。

 一つ小さな変化を述べると、今年に入ってからようやく、日本における分散型SNS(Fediverse)の界隈でも、左派やリベラル派と言われる人々がまともに政治談義をすることが出来る空気が醸成されました。Fediverse初期の頃は、自分の肌感覚ではTwitter以上にいわゆるネット右翼が多く、私が立ち上げたリベラル専用コミュニティはあくまで少数派のための場でしかありませんでしたからね…。その意味では、今年に入ってから多少「開かれた使い方」に近づいたと言えなくもありません。

Twitterはオワコンなのか?

 先述の関連記事では、ネットコミュニティの状況の変化について言及されています。これは一昨年にブログ記事を書いたあとも時々参考としているものです。

1.面白い人達が集まって面白いことを始め
2.普通の人が集まって見物し
3.お金目当ての人が集まって商売をし
4.最後に面白くない人がやってくる
5.その頃には面白い人は飽きたり嫌気がさして次の場所に行き
6.普通の人が減り
7.お金目当ての人がいなくなり
8.最後に面白く無い人がさる

 2021年時点で、自分はこれについて次のように述べておりました。

 記事中では、Twitter等は5.の局面に入ったのかも知れないと述べられていますが、自分の肌感覚としては既に6.に入っていると思います。

 Twitterにおける現在の状況は、既に最終局面の8番目に入っているという認識です。これは一部のマスクファンを除けば概ね同意されるのではないかと思われます。

 しかし、一昨年5月の時点では、まさかこんなに早く最終局面を迎えるとは思ってもいませんでした。

 なお、一昨年の時点で、Twitterがあと数年で終わると自分が思っていなかった理由について、次のように述べておりました。

 一部を除き、その状況はたったの1年半で大きく変化してしまいました。

今後、本当にインターネットは閉じたコミュニティの時代になるのか?

 一昨年、自分は次のように述べていました。

 Twitterですら分散化の話が出ているくらいですから、インターネット全体としては、間違いなく閉じたコミュニティの時代になってゆくと思います。

 この意見については今でも変わりありません。

 ただ、そのあとに述べていることについては若干の変化があります。

 自分の観測範囲に限った話になりますが、Fediverse、少なくとも日本語圏では、先述の8段階の局面の話に照らせば、2017年春頃に1.の局面が起き、その後すぐに2.や3.をすっ飛ばしていきなり4.の局面に入ったと感じています。Mastodonでは意図的にお金儲け目当ての人が入って来にくい設計になっているのですが、2.に当てはまるような「普通の人」もあんまり見かけません。

 そのあと、2022年秋のイーロン・マスク氏によるTwitter買収を境に、Fediverseの状況も一変します。

1.面白い人達が集まって面白いことを始め
2.普通の人が集まって見物し
3.お金目当ての人が集まって商売をし
4.最後に面白くない人がやってくる

 そのあと、2番目(一部1番目)の展開に戻っているように思われます。これは間違いなく、Twitter買収後にFediverseに流れるユーザが増えたためで、これは昨今の相次ぐTwitter改悪に伴い、現在も進行中です。

 ただし、Mastodonの設計思想の関係で、やはりお金目当ての人はほとんど観測されませんが。ほかのFediverseプラットフォーム(Misskey等)ではどのようになっているのかは存じ上げませんが、自分が連合している範囲ではやはり見かけません。

 関連記事の最後では次のように述べられています。

今ならSlackやDiscordで閉じたコミュニティを作るのもいいかもしれません。ふわっと集まるのではなく、誰か座長(コミュニティマネージャー)がしっかりいる場の方がいいかなと思っております。

 残念ながら、Fediverse(特にMastodon日本語圏)では、少数の大手サーバとその他大勢という構図ができあがってしまっていて、しかも大手サーバは一部を除き「座長不在の無法地帯」状態です。しかし、スケールメリットは最もわかりやすいアピールポイントの一つになるのか、そういうところにほど人が集まってしまいます。その傾向を是正する方法、いまだにわかりません。

 とはいえ、先ほど、Mastodon日本語圏でもリベラル論客が増えたなどと申し上げましたが、論客だけでなく政治問題や社会問題についてまともに話題に上げられるコミュニティが、目に見えて増えました。長らく「LIBERA TOKYO」というリベラル(自由主義者)向けコミュニティを運営している私にとっても、非常に喜ばしいことです。

 本音を言うと、政党や市民団体等もFediverseにサーバを立ててほしいんですけどね。特に立憲民主党!

今後の私のSNSとの付き合い方

 現時点(2023年7月6日)で、私・テルミナ™は下記のSNSにアカウントを持っています。

 そのうち、実は昨今まともに使っている(1日1回以上自力発言している)アカウントは、Mastodon上の2サーバ2アカウントのみです。

 Twitterについては、長らく公開アカウントとして運用していたメインアカウントでさえも、5月に非公開アカウントに切り替えており、以後公開アカウントに戻していません。もはやどう転んでも自分がTwitterをまともに使うことはないと思われますので、あちらで相互フォローの皆様には、速やかにMastodonへの移住をお願いします!

 BlueskyT2は現時点でもいずれも完全招待制なのですが、それにもかかわらず、使う気が失せ始めています。実は私をBlueskyに招待してくださった方も同意見で、関連記事の局面の話に照らせば、1~3まですべてすっ飛ばしていきなり4番目の

4.最後に面白くない人がやってくる

という局面に入ってしまったという認識で恐らく一致していると思います。事実、昨今、Blueskyのタイムラインを読むのがつらくなっていますし。

 もしかしたら完全招待制が撤廃されれば状況も変わるのかも知れませんが、少なくとも今の状況では、(招待コードを欲しいと言われたら発行しますけど)こちらから積極的にBlueskyT2に人を呼ぶ気にはなれません。

 結局、自分にとっては(あくまで「自分にとっては」です)、Twitterの問題点が設計思想に反映されているMastodonが、最も居心地がよいのです。特に今年に入って日本語圏にもリベラル論客が増えてからは、ますますその思いを強くしています。ただ、その設計思想故に拡散力がなく、それを重視する著名人や企業等にとってはMastodonをわざわざ使う意義がありません。

 今後、議論用と拡散用でSNSを使い分ける必要性は間違いなく生じます。Twitterが議論用としては既に使い物にならず、また拡散用としても使い物にならなくなりつつある現状では、残念ながらポストTwitterとして商用SNSに対する期待が高まるのも無理はないのかも知れません。

 しかし、それにしても、プラットフォーマーの胸先三寸でユーザの言動が大きく左右されてしまうことは、まさにTwitterで現在進行中の出来事として問題となっているのですが、それにもかかわらずそこから脱却しようという動きがあまり見えないのは残念でなりません。ましてやネットメディアが煽り記事で迷えるTwitterユーザを商用SNSに誘導してしまうのは、結局のところ不幸しか生み出さないと思います。

 今後も、議論用としては自分はMastodonを使い続けますが、拡散用としては、何を使えばいいのでしょうかねぇ。Facebook運営元のThreadsは論外として、BlueskyT2も、現状を考えると、かつてのTwitterのような絶大な地位を築き上げるとは考えにくいですしね…。

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