【Bluesky】モデレータのいない空間はよい空間なのか?
昨日、Blueskyのタイムラインで、Twitterの創業者にしてBlueskyの取締役でもあったジャック・ドーシー氏へのインタビューについて言及した記事が目に入りました。
記事中で、ドーシー氏がBlueskyから手を引いた理由についていくつか述べられています。
たとえば運用拡大のための投資を募ったり、取締役会を設置したり、モデレーションで人々を排除したりといったことを挙げています。
個人的に特に引っかかったのが、ドーシー氏がモデレーションに対して否定的であるという点。
この一点で、少なくとも私はドーシー氏と相容れることはないということを確信しました。
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記事の後半で、Bluesky運営サイドの人々がドーシー氏の考え方についてあまり快く思っていない旨について触れられていますが、Blueskyに限らず昨今のSNSにおける攻撃的で不快な投稿の氾濫を見れば、モデレーターのいない空間は馬鹿げているという考えのほうが至極当然ですし、自分もその点については異論ありません。
かつてTwitterや分散型SNS「Mastodon」などで何度も集団リンチに遭ってきた私としては、モデレーター不要論など論外もいいところですし、そのような論理を唱える者は邪悪でしかありません。
適切なモデレーションがなされていない空間はたやすく荒れて風紀が乱れます。Twitter改め「X」や、Mastodon等が属するFediverseネットワークの日本語圏の大手と呼ばれるコミュニティを見れば、そんなことぐらい容易に想像つくはずなのですが。そもそも、「言論の自由」なんてものは、他人を罵倒したりリンチしたり言葉で傷つけて死に至らしめたりする自由のことではありません。むしろ言論の自由を重視するためには、意図的に他者の言論の自由を阻害する要素を排除しなければなりません。
私がMastodonを好み、しかもいわゆるお一人様サーバや極小規模コミュニティを運営しているのは、まさに「言論の自由」を重視しているからです。もちろん他人を罵倒するためではなく、自分たちが自らの考え方について表明し、他者とのコミュニケーションを図るためです。それを重視するが故に、私は敢えてFediverseの大手コミュニティをブロックする極小規模コミュニティとして「まいった~」を運営しております。
なお、記事中では、ドーシー氏が「Nostr」に出資している旨についても述べられています。
私も極一時期Nostrに参加らしきことをしていたこともあったのですが、自分には全く合わないと感じ、すぐにアカウントを放棄してしまいました。合わないと感じた理由はいくつもあるのですが、そのうちの最大の理由の一つが、ドーシー氏が嫌っているモデレーションが貧弱であるという点です。そもそも悪意あるユーザに絡まれたとしてもブロックする手段すらないのでは、私のように常に悪意に晒されている人間にとっては安心して参加出来ません。
もちろん、自分が今のBlueskyに対して不安や不平不満を全く抱いていないわけではありません。しかし、今回の主たるテーマであるモデレーションに関していえば、Blueskyはかなり良くやっているほうだと思います。特に、Twitterでは外部サービスとして有志によって提供されていた共有ブロックリストサービスが「モデレーションリスト」として標準機能として実装されている点については好感すら持てます。
ただ、このままでは、早晩、Twitterと同じ轍を踏んでもおかしくありません。もちろんBluesky運営サイドもそれを懸念しているものと期待したいです。最悪の結末を迎えないためには、Mastodonでは設計段階で組み込まれている、数字稼ぎのインフルエンサーなどを意図的に弱体化させる仕組みが欲しいところ。フォロワー数や「いいね」の数を競わせてしまった結果が、デマやフェイクや扇動的な投稿であふれかえったTwitter改め「X」の惨状なのですから。
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