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返答

ホテルの朝食バイキングが好き。

本当に好きだから「なぜ好きなのか」をいちいち言語化したくない。
思った事象に実体を感じ、言葉は大した事がないといつも感じる。

みんなが静かにご飯を食べている様子とか、どこか天国みたいな雰囲気とか、色々感想はあるが、そんな事は口にしたくない。
なんとなく良いよねで留めておきのがグッド。

好きなことを他人に話したい人と
好きなことだから大事にして話したくない人がいるだろう。

もともと、自分の好きなことは人に言わないタイプだ。
けれど、それだと他人と会話が成立しない。
だから仕方なく好きなことを話すか、話さない場合はずっとおちゃらけたり、冷笑気味になったりする。

長いこと好きなことを言わずにきたせいで、結果的にスカした会話をしている事がある。
自覚的にスカしているつもりはないし、冷笑は別に好きでも嫌いでもない。

後で自分が喋った事を冷静に分解すると冷笑の要素を含んでいたと知る。
しかも隠れ冷笑なので相手には伝わらず、普通の雑談として処理されているのだろう。

最近冷笑を非難するトレンドらしいから、最近は冷笑しないのをファッションとしている
人が多い。トレンドは体得する機会を失う。冷笑しない方が良いということを体得できなかった人は可哀そうだ。

そんなことをしていると、やっぱり他人とまともに喋れない。
だから結局、好きなことをしぶしぶ話すしかなくなる。

ホテルの朝食バイキングが好きだ
これは言えるとして、問題はその次だ。

「なんで好きなの?」と聞かれると、言語化するのがしゃばい感じがして考えたくない。
返してほしいのは「俺もなんとなく好きだよ」くらいの軽い共感だけでいい。

ただ、それだと会話が終わってしまう。

じゃあ会話を続けるために、相手になんと言ってほしいのか。

「喫茶店のモーニングも良いよねー」とか?
そんな横にスライドする話題はいらない。

「和食も良いけどパン選びがちだよねー」とか?
全然違う。「朝食バイキングあるある」を言ってほしいわけじゃない。

では何を言ってほしいのかと問われると、正直思いつかない。

ただ、「なんとなく良いよね」みたいな軽い共感があった後、
何年か経っていつか再会したときに
「そういやお前、ホテルの朝食好きだったよな」
と覚えていてくれたら、それでいいな。

きっと後で思い出してほしいだけだろう。
全然会話好きじゃないな俺は。