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顔を壁につける

今日は一日、自炊をすると決めていた。
仕事はテレワークだが、ない仕事を考えるので忙しい。

もし配管工に任命されたら、俺は水道を止める係をやりたい。
服は、絵の具が飛び散ったオーバーオールを着るつもりだ。
一日に止める水道の数はそれほど多くない。
時間が余ったら作業部屋に行く。
そこには、てるてるぼうずを組み立てるための一式があり、過去の完成品と見比べながら、似せて作っていく。

そんなことを考えていたら、お昼の時間になった。
小説の埃が、後ろからふわりとついてくるような気がしたが、それは子供の頃の思い出がフラッシュバックしただけだった。
髪型だけで、その人がちゃんと生活しているのが一周で分かる。

昼食はキャベツと豚バラの鍋を作った。
ごま油ににんにくと鶏ガラがあれば、スープは十分に完成する。

食べた食器を洗ったら、少し休憩したくなった。壁に耳を当ててみる。
知らない人の喧嘩が聞こえてきたら面白かったが、最近のトレンドは独り言だろうと思いつつ、何も聞こえなかった。

自分の部屋に、昭和の頃のような、引くと明かりが消える紐を設置してもいいと思った。
ただ、あの電球の紐は昭和の産物なので、今つけても同じ効果にはならないかもしれない。
吊るされた紐を辿ったら、歴代の親友が気球に乗っていた。
そんな絵が頭に浮かんだ。

ベランダに、レンガで小さな花壇を作ってみるのも良さそうだ。
花を植えているときより、レンガを積んでいる時の方がピントがくっきり合うので、本末転倒ではある。
そんなことを考えながら窓を開けると、外が静かな音をしていた。

エレベーターの中で、ゴミ袋に負けているラーメン屋の店主みたいな人がいた。
港町で、入口が回転ドアになっているラーメン屋をやっていそうだと推測する。

工場の油でカッコよくなった鳥が、道を案内してくれた。
あなたはもっと他人とお酒を飲んでもいい人種ですよと、その鳥がおそらく言ってる。
だが俺はそんなことより、まず自分の機嫌を取ることに飽きないと先に進めない、というのを過去に思っていて、その解決が最優先だ。

夜食にはミートソースを作った。
ミートソースは薄力粉を入れないほうが麺には絡まないが、肉を噛んでいる感覚が強くなるので、今日から薄力粉は入れないことにした。

テレビをつけていたら、魔法少女アニメの告知のようなものが流れた。
魔法少女のアニメが存在するということは、女の子が魔法を使えるという設定にしっくりくるクリエイターがいるということだ。
もしそれが一人だけなら変わり者だ、で済む話だが、魔法少女の作品が多いということは、女の子が魔法を使える事に対してしっくりくる人がたくさんいるということだ。
存在しないはずの魔法を女の子が使える事が分かるのは奇妙な話だ。
元々女の子は魔法を使えて、それがいつの時代かに隠された。
そう考えると、ファンタジーと現実のバランスとしてしっくりくる。

そんなことを考えていたら、テレビの横に小説が横積みにされているのを見つけた。
小説が横に積まれたなら、文字ではない引力がそこに発生することを知っている。

週末には髪を切る予定なので、だったら新しい服も欲しいなと思いながら眠る。