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松尾さんの件にみる根深い問題

この記事、最近わたしの身近でもこれに関する事象が発生していた。

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/268244

お手伝いしている社会派スタートアップがJの件を引用したプレスリリースをだした。

このスタートアップは社会課題を基に参加者が議論を述べるプラットフォームで、児童虐待(「地位利用第三者児童虐待防止法案」)についての議題を設定した際にJの件をタイトルと本文で引用したにすぎない。

議題があがるごとにプレスリリースをだしているので、このときも同様に配信会社に依頼した。

ところ配信会社より提携メディアへの掲載を断られた。

利用規約に抵触する部分を確認すると「プレスリリースとして相応しくないと判断」という箇所を根拠として示された。

「Jの件について引用したテキストを除去すれば配信可能」ともいわれた。

とはいえその配信会社のサイトには掲載されている。

つまり、提携メディア側にこれを拒む理由があるのだと思われる。

毎日膨大な量のニュースソースを転載しているメディアにはいちいち記事ごとにフィルタ(検閲)をかけることはできない。

契約配信会社からのプレスリリースは提携メディアに自動的機械的に掲載されることになる。

つまり掲載メディアと配信会社との契約として、フィルタリング(事前検閲)を要求しているものと考えられる。

私自身Webメディア側にいた者なので知らぬ間に自社メディアの記事に掲載されたら困るメディアがあることは想像できる。

今後Jの人気タレントの取材を受けてもらえなくなる可能性だってある。

されに言えばわたしはエンタテインメント産業出身者でもあるので、強いタレントの所属事務所が巨大な力で社会を操作できることも知っている。

今回のような人権にかかわるものではないものの、その強大な存在ゆえにCDセールスという末端にいた私でさえ関わらなくてはならなかったアレコレの過去ある。

それがいまも支配していることは容易に想像がつく。

今回直接的に関わるところ(お手伝いしているスタートアップ)で不利益を被ったことになるが特に荒立てることは控えている。

なぜならそれによって連関的に不利益を配信会社とWebメディアが被ることになるからだ。

想像力を働かせると、件のJ事務所にも継続的安定的経営や所属タレントを守るという立場もあるだろう。

情報産業のバリューチェーンにおいても企業間の力関係はあるもので、そのエコシステムで生きている限りその禁を破ることはなかなかできない。

ことなかれ主義がこそが八方収まるベターな選択なのだ。

だからといってあの件を有耶無耶にして隠そうとする動きにはNoと言いたい。

J事務所の児童虐待は何十年も前から存在していたし、その何十年も前から有耶無耶にされつづけてきた。

昨年の事件で火が着いたあの宗教も同じで、何十年も前から存在していたし、その何十年も前から有耶無耶にされつづけてきた。

これらの都合の悪い過去、巨大な力によって隠蔽されてきた過去を、まだ先延ばしされようとしていることに嫌悪する。

芸能界や政界や経済界との癒着から抜けきれないマスメディアのいう「ジャーナリズム」がまったく期待できなくなってひさしい。

インターネットメディアがそれを担えると考えたこともあったが、高度に産業化し、大きな力で支配されるようになっている。

これを突破できるのは、企業や組織に支配されない個人の発信と共感の連帯しかない。

非中央集権なメッシュ状のネットワークにおいて、その人が特定されないながらも実在する一人として声を上げられる仕組みが求められる。

ただ世界を見ても成功例はなく、大きく伸びているのは妄想的な陰謀論を叫ぶ人たちばかりでまったく機能していない。

なかなか絶望的な状況にある。